プログラミング言語Tの仕様

■名前

プログラミング言語Tでは、いわゆる全角文字と半角文字の区別は行いません。また変数名や関数名に日本語の文字列を使用することができます。

■変数と演算子

∇変数の型と宣言

プログラミング言語Tでは変数に以下の型があります(注:実際には他にも型が用意されています)。

型一覧
内容
整数 32ビットの整数型
浮動小数点数 64ビットの浮動小数点数
文字 16ビットの1文字(TRONコード)

変数を使用するには変数の宣言を行う必要があります。変数の宣言は以下の方法で行います。

変数 変数名:型

プログラミング言語T言語では以下の方法で1次元の配列の宣言を行うことも可能です。

変数 変数名:型[配列数]

配列変数の添え字はC言語と同様に0~配列数-1を使用します。 2次元以上の配列を扱う方法は存在しますが多少複雑なので詳細は配列変数を参照して下さい。また、プログラミング言語TではC言語のポインタに相当する概念はありません。

∇数値と文字列

整数値

整数値は10進数表記と16進数表記の2種類で表現できます。

10進数表記は 0~9 と - 記号を使って表記します

16進数表記は先頭に 0x と記述したあとに 0~9、a~f、A~F を使って表記します。

浮動小数値

浮動小数は、

<符号><数字列>.<数字列><指数部>

の形で表記し、指数部は E<符号><数字列> の形で表記します。

記述例
1.0
5.2E5
2e-5

文字

1文字は、C言語と同様に '(シングルクォ-テ-ション)記号でくくって表現します。

また、C言語と同様に \ をエスケープ文字として使用し

\n(改段落)、\r(改行)、\t(タブ)

などを表現することもできます。

文字列は "(ダブルクォーテーション)記号でくくって表現します。

文字型の配列変数のn文字目からm文字分の配列に文字列を代入するには

配列変数名[n:m] = "文字列"

と記述します。先頭から代入したい場合にはn及びmを省略でき

配列変数名[:] = "文字列"

と記述することが可能です。

∇大域変数と局所変数

変数 変数名:型

で宣言された変数はC言語と異なり例え関数の内部で記述されても大域変数として扱われます。 変数を局所変数として定義するには

局所変数 変数名:型

と記述して下さい。

∇演算子

プログラミング言語Tでは以下の演算子が用意されています。

単項演算子

単項演算子一覧
演算子 内容
- 符号の反転
~ ~ ビット反転(1の補数)
! 論理否定

2項演算子

2項演算子一覧
演算子 内容
>= ≧ <= ≦ 関係演算子
> < 関係演算子
== = != ≠ 等値演算子
- + 加減演算子
* × / ÷ 乗除演算子
% 乗除演算子
&& || 論理演算子
>> << シフト演算子
& ビットごとのAND
| ビットごとのOR
^ ビットごとのXOR

演算子の優先順位は上記の表で上にあるほと高くなっています。

基本的にC言語のそれと同じですが、= だけで等値演算子として扱うことができます。

逆にC言語のように式の中で = を使って代入を行うことはできません。

■関数(サブルーチン)

∇関数の定義

プログラミング言語TではC言語と同様に(変数の宣言などを除いて)基本的にプログラムを関数内に記述する必要があります。関数の定義は以下の方法で行います。

プログラム 関数名 (引数名:型, ...)
関数本体
おわり

C言語では以下のプログラムに相当します。

型 関数名 (型 引数,...)
{
関数本体
}

引数部分で宣言された変数はC言語と同様に局所変数として扱われます。

C言語との大きな違いは以下の2点です。

*関数に型を定義する必要がないこと。

*関数の範囲は{}ではなく、プログラム と おわり で指定すること。

また、C言語の return 命令と同じように関数の終了時に値を返すことが可能であり、その場合は

返り値 返値の式

と記述します。

∇関数呼出

定義した関数を呼び出すにはC言語と同様に

関数名(引数, ...)

と記述します。関数が返値を返す場合は関数呼出をC言語と同様に式の中に記述することも可能です。

■文

プログラミング言語Tは手続き型言語であり、プログラムが実行する処理を実行する順に文で記述します。

文には命令文、代入文、制御文、コメントがあり、それぞれ以下のように記述します。

■命令文

プログラミング言語Tでは様々な命令が用意されており、以下の形式で命令文を記述します。

命令 引数1, 引数2, 引数3, .....

引数には式や関数呼出を記述することができます。また、引数を複数記述する場合は間に , 記号を記述します (注: ,がなくても区切りが明白な場合は省略できますが、できるだけ記述することをおすすめします)。

命令文を複数行にわたって記述したい場合は、以下のように改行部分に \ 記号を記述します。

命令 引数1, \

引数2, \

引数3

また、命令文と命令文の間に ; 記号を記述することによって以下のように一つの行に複数の命令を記述することも可能です。

命令1 引数1, 引数2 ; 命令2 引数

命令文には変数の定義を行う 「変数」 や マクロを定義する 「マクロ」などがあります。

∇代入文

変数に値を代入する代入文は以下の方法で記述します。

変数名 ← 式

プログラミング言語Tでは代入演算子に ← を使用しますが、C言語と同様に=記号を使って代入することも可能です。また、C言語と異なり右辺の式の中に以下のような代入文を記述することはできません。

a ← (b ← c) + 2 これはエラーになります。

∇制御文

C言語のif,whileなどに相当する文で以下のものがあります。

もしも文

C言語のif文に相当する文で以下のように記述します。

もしも 条件文式1
条件式1 が満たされた場合のプログラム
そうでなくもし 条件式2
条件式2 が満たされた場合のプログラム
...
そうでなければ
すべての条件式が満たされなかった場合のプログラム
もしもおわり

条件式の書き方はC言語のそれに準じるが、条件によって実行する範囲はC言語のように { と } で括るのではなく、「もしも」と「もしもおわり」で範囲を指定する点が異なっています。

条件式の部分はC言語のように()で括る必要はないが、必ず「もしも」と同じ行に記述する必要があります。

C言語との命令の対応は以下のようになっています。

*もしも C言語のIF

*そうでなければ C言語のELSE

*そうでなくもし C言語のELSEIF

繰り返しと条件付繰り返し

条件付繰り返しはC言語のwhile文に相当する文で以下のように記述します。

条件付繰り返し 条件式
繰り返し実行するプログラム
条件付繰り返しおわり

C言語のwhileの場合は繰り返しの部分を { と } 記号で囲いますが、プログラミング言語Tの場合は、条件付繰り返し から 条件付繰り返し終わり と記述されている間を繰り返す点がC言語と異なっています。

ループを強制的に中断するC言語のbreakに相当する命令は「中断」、ループの残りを省略してループの先頭に戻るC言語のcontinueに相当する命令は「続行」です。

繰り返しはC言語の while(1) に相当する文で以下のように記述します。

繰り返し実行
繰り返し実行するプログラム
繰り返しおわり

繰り返しはそのままでは無限ループになるので必ず 中断 命令を記述する必要があります。

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